
オフィスの床は、見た目の印象だけでなく、働きやすさ・配線計画・将来のレイアウト変更にも大きく関わる重要な要素です。
一方で、
「床材の種類が多くて違いがわからない」「OAフロアは必要?」と迷う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、オフィス内装・施工の実務視点から、オフィスの床材の種類・特徴・選び方を整理し、
OAフロアとの違いや、用途別の考え方をわかりやすく解説します。
※本記事は、オフィスの床材選びに関する情報を整理し、最新の内装・OAフロア事情を踏まえて全面的に更新しています。
オフィスの床にはどんな種類がある?
オフィスの床にはさまざまな種類がありますが、現在のオフィス内装で主に採用されている床は、
「タイルカーペット」「フロアタイル」の2種類です。
これらに加えて、配線計画やレイアウト変更に対応するために、OAフロア(床下に配線スペースを設ける構造)を組み合わせるケースも多く見られます。
床材そのものの種類と、OAフロアの有無をどう組み合わせるかによって、オフィスの使い勝手や将来の柔軟性が大きく変わります。
オフィスで人気の床材とは?
オフィスで多く採用されている床材は、「タイルカーペット」と「フロアタイル」です。
どちらもタイル状の床材を一枚ずつ敷き詰めて施工するため、部分的な補修や貼り替えがしやすく、
オフィスの運用に適した床材として広く使われています。
一方で、それぞれ質感・機能性・向いている用途が異なるため、オフィスの使い方や空間の役割に応じて選ぶことが重要です。
ここでは、まず両者の基本的な特徴を整理します。
タイルカーペットとは

タイルカーペットは、40〜50cm角程度にカットされたカーペット状の床材を敷き詰めて仕上げる床材。
繊維素材ならではの柔らかい踏み心地と、遮音性・保温性に優れている点が特徴で、執務室や会議室など、人の出入りが多い空間によく採用されます。
色や柄のバリエーションも豊富で、床の貼り方や色の組み合わせによって、
オフィス全体の印象を調整しやすい点もメリットのひとつです。
フロアタイルとは

フロアタイルは、塩化ビニル樹脂を主原料とした硬質タイプの床材。
木目調や石目調など、リアルな質感を再現したデザインが多く、空間に高級感や清潔感を演出できます。
表面が硬く耐久性に優れており、水や汚れが染み込みにくいため、エントランスや応接室、水回りなどにも適しています。
デザイン性を重視したい空間や、お客様の目に触れる場所では、フロアタイルが選ばれるケースが多く見られます。
タイルカーペットの特徴
タイルカーペットは、オフィスの床材として非常に採用率の高い床材です。
ここでは、タイルカーペットならではのメリットや、どのような空間に向いているのかを詳しく見ていきましょう。
タイルカーペットの特徴・繊維素材ならではの温かみがあり、柔和な雰囲気を演出できる。 |
タイルカーペットが向いている場所
タイルカーペットは、足音や話し声が響きやすい空間に適した床材です。
そのため、人の出入りが多い執務室や会議室では、特に採用されるケースが多く見られます。
また、靴を脱いで使用する更衣室や休憩スペースなど、足触りの良さを重視したい場所にも向いています。
OAフロアと相性が良い理由
タイルカーペットは、OAフロアの仕上げ材としても非常に相性の良い床材です。
一枚ずつ簡単に取り外しができるため、床下配線へのアクセスがしやすく、配線の追加やレイアウト変更が発生しやすいオフィス環境に適しています。
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使用時の注意点(台車・キャスター)
タイルカーペットの床では、重い荷物を載せた台車やキャスター付きの複合機を移動させる際に注意が必要です。
つなぎ目に車輪が入り込み、カーペットがめくれ上がってしまうことがあるため、移動する際は速度を落とし、できるだけ目地を避けて通行すると安心です。
フロアタイルの特徴
フロアタイルは、デザイン性と耐久性を兼ね備えた床材として、オフィス内装でも多く採用されています。
ここでは、フロアタイルの主なメリットや、どのような空間に向いているのかを整理します。
フロアタイルのメリット
フロアタイルには、以下のようなメリットがあります。
フロアタイルの特徴・木目調や石目調など、デザイン性に優れたオシャレな雰囲気を演出できる。 |
フロアタイルが向いている場所
フロアタイルは、見た目の印象を重視したい空間に適した床材です。
そのため、来客者の目に触れるエントランスや応接室などで多く採用されています。
また、水や汚れに強い特性から、給湯室や食堂、休憩室といった飲食を伴うスペースや水回りにも適しています。
オフィスチェア使用時の注意点
フロアタイルの床でオフィスチェアを使用する場合は、キャスターによる床への影響に注意が必要です。
特に、硬質なキャスターを使用すると、床に細かな傷が付いてしまうことがあります。
そのため、フロアタイルの上では、車輪の外側がウレタン素材で覆われた「ウレタンキャスター」仕様のオフィスチェアを選ぶと安心です。
床材に適したチェアを選ぶことで、床の美観を長く保ち、メンテナンスの負担を軽減できます。
オフィスの床工事にかかる費用の目安
オフィスの床工事にかかる費用は、選ぶ床材の種類や施工範囲、OAフロアの有無によって大きく異なります。
ここでは、オフィス内装工事で一般的に多いケースをもとに、床工事の費用目安をご紹介します。
床材別の費用感の目安
| 床の種類 | 費用感の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| タイルカーペット | 比較的抑えやすい |
遮音性に優れ、部分貼り替えが可能。 執務室・会議室で多く採用されています。 |
| フロアタイル | デザインや仕様により幅がある |
意匠性が高く、水拭き可能。 エントランス・応接室向きです。 |
| OAフロア+床仕上げ | 比較的高くなりやすい |
床下配線が可能で、将来的なレイアウト変更にも 柔軟に対応できます。 |
実際の費用は、床材の仕様だけでなく、
既存床の状態や施工面積、建物条件などによっても変動します。
費用が変動する主なポイント
オフィスの床工事費用は、同じ床材を選んだ場合でも、
以下のような条件によって変動します。
- OAフロアの有無:床下配線を行う場合は費用が上がる傾向があります。
- 既存床の状態:撤去や下地補修が必要な場合は追加費用が発生します。
- 施工面積・貼り方:施工面積やデザイン貼りによっても変動します。
特にOAフロアを採用する場合は、
天井高や建具との取り合い、原状回復条件なども含めて総合的に検討することが重要です。
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オフィスの床の色選び・デザインの考え方
オフィスの床は、機能性だけでなく、空間全体の印象や働く人の心理にも大きな影響を与えます。
近年では、単に無難な色を選ぶのではなく、企業イメージや働き方に合わせて床の色やデザインにこだわるオフィスが増えてきました。
ここでは、床の色がオフィスに与える印象と、色選びの考え方について整理します。
床の色がオフィスに与える印象
床の色や柄は、空間の雰囲気を大きく左右します。家具や照明が同じでも、床の色が変わるだけで、オフィス全体の印象ががらりと変わることも珍しくありません。
色別イメージとおすすめの利用シーン
床の色ごとに与える印象は異なります。
業務内容や空間の役割を意識して色を選ぶことで、オフィスをより快適で機能的な空間に整えることができます。
色彩が人に与えるイメージとオススメのご利用シーン
| 色 | イメージ | オススメのシーン |
|---|---|---|
| ブルー | 集中・冷静・涼やか・冷たさ | 調べ物や見積作成などの集中作業が多い事務職や、ルーチンワークが中心のオペレーター職のフロアに。 |
| グレー | シック・平穏・落ち着き・地味・控えめ・事務的 | |
| オレンジ | 元気・にぎやか・陽気・高ぶり・興奮 | クリエイターや開発・企画職など、ひらめき型の職種に。会議室などアイディアを生み出す場所にも。 |
| イエロー | 明るい・ポジティブ・幸福・危険・軽率 | |
| ブラウン | 温もり・堅実・安定 | 休憩室や食堂などのリラックススペースに。ストレス緩和のために執務室に取り入れるケースも。 |
| ベージュ | 穏やか・柔らか・ナチュラル・リラックス・ぼやけた | |
| グリーン | フレッシュ・癒し・エコ・未熟 | |
| ブラック | クール・スタイリッシュ・圧迫感・閉塞感・緊張感 | 役員室や応接室などのエグゼクティブスペースに。 |
| ホワイト | 清潔・シンプル・まっさら・冷たさ・緊張感 |
なお、近年では単色でまとめるだけでなく、
床の色を使ってエリアごとに緩やかにゾーニングする手法も多く採用されています。
次の章では、床デザインによるゾーニングの考え方をご紹介します。
床デザインによるゾーニング
近年、オフィスづくりにおいて注目されているのが、床のデザインによるゾーニングです。
ゾーニングとは、空間の用途や役割ごとにエリアを分ける考え方のこと。
床の色や素材を切り替えることで、壁やパーテーションを使わずに空間の区分けを行うことができます。
床でゾーニングするメリット
床デザインによるゾーニングには、次のようなメリットがあります。
- 視覚的にエリアの用途がわかりやすくなる
- 動線が整理され、オフィス内の移動がスムーズになる
- 壁を立てないため、開放感のある空間を保てる
特に、来客対応や社内コミュニケーションが発生しやすいオフィスでは、床によるゾーニングが効果的に機能します。
ゾーニングの具体例
執務スペースとミーティングスペースの切り替え

画像引用:コクヨ株式会社 ファニチャー事業本部
執務スペースとミーティングスペースの床材を切り替えることで、空間を「ゆるやか」に区分けすることができます。
視線を遮る壁がなくても、床の違いによって用途が明確になるため、開放感を保ちながらメリハリのあるオフィス空間を実現できます。
通路と執務スペースのゾーニング

画像引用:東リ 住まいとインテリア | 床材、カーペット、カーテン、壁紙、ラグマット
通路部分のみ床の色や素材を変えることで、オフィス内の動線をわかりやすく示すことができます。
来客対応時にも迷いにくく、日常業務の中でもスムーズな移動を促す床デザインです。
マグネットスペースの床デザイン

画像引用:東リ 住まいとインテリア | 床材、カーペット、カーテン、壁紙、ラグマット・コクヨ株式会社 ファニチャー事業本部
自販機やコピー機まわりなど、人が自然と集まりやすい「マグネットスペース」では、床にアクセントカラーを取り入れるゾーニングが効果的です。
空間にリズムが生まれ、コミュニケーションのきっかけづくりや、リフレッシュスペースとしての役割も期待できます。
まとめ
オフィスで日々過ごす中で、常に視界に入り、足元を支えているのが「床」です。
普段は意識しにくい部分ですが、床材の選び方ひとつで、オフィスの印象や働きやすさは大きく変わります。
オフィスの床を検討する際は、床材の種類や特徴だけでなく、用途・動線・将来のレイアウト変更までを見据えて考えることが大切です。
また、OAフロアの有無や費用感をあらかじめ把握しておくことで、後悔のない床選びにつながります。
「オフィスの雰囲気を変えたい」
「働きやすい環境を整えたい」
とお考えの方は、床のリニューアルから検討してみてはいかがでしょうか。
オフィスの印象づくりも、快適な職場環境づくりも、足元から。
床材選びをきっかけに、ワンランク上のオフィスづくりを目指しましょう。














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