オフィス移転は、単なる引越しではありません。
物件選定や契約、内装工事、各種手続きなど、複数の工程が同時進行するプロジェクトです。本記事では、スケジュール・費用・考え方を整理して解説します。

オフィス移転の全体スケジュール

オフィス移転は、準備開始から引越し、稼働開始まで多くの工程が並行して進みます。
特に注意したいのが、旧オフィスの退去準備と、新オフィスの契約・工事を同時に進める必要がある点です。
全体像を把握し、時期ごとに「やるべきこと」と「判断ポイント」を整理しておくことで、移転は格段に進めやすくなります。

【1年前〜】物件探し・条件整理

この時期に行うのは、「どんなオフィスにしたいか」を明確にすることです。

  • 必要な面積・席数
  • 将来の増員余地
  • 立地・アクセス
  • 予算感


あわせて、現オフィスの解約予告期限も必ず確認しましょう。

【6か月前〜】レイアウト設計・業者選定

物件が決まったら、新オフィスの中身を具体化していきます。

  • レイアウト設計
  • 内装工事内容の検討
  • OAフロア・照明・家具の選定
  • 内装・引越し・通信業者の選定


この段階で重要なのは、「今」だけでなく「数年後」を見据えた設計です。
床・配線・間仕切りなど、あとから変更しにくい部分は、特に慎重に検討しましょう。

【1か月前〜】各種手続き・引越し準備

移転直前になると、細かな作業が一気に増えます。

  • 役所・官公庁への届出準備
  • 取引先への住所変更案内
  • 社内周知・説明
  • 引越し当日の段取り確認


可能であれば、事前に新オフィスでテスト稼働を行い、
ネットワークや設備の不具合を洗い出しておくと安心です。

旧オフィス退去時に必要なこと

解約予告と原状回復工事

旧オフィス退去時には、契約内容に基づいた原状回復工事が必要です。

  • 工事範囲の確認
  • 指定業者の有無
  • 工期/費用の見積り


内容によっては想定以上の費用がかかるケースもあるため、早めの確認と準備が重要です。

不要品・書類の整理

移転は、不要なものを整理する絶好のタイミングです。

  • 使っていない什器・家具
  • 古い書類・機密文書


機密書類は、専門業者による溶解・裁断サービスを利用することで、情報漏えいリスクを抑えられます。
あわせて、什器の取り外しや配線・設備の撤去作業も発生します。
入退室管理システムやLAN配線などは、オフィスの仕様によって対応方法が異なるため、
事前に「何を撤去する必要があるか」をリスト化しておくとスムーズです。

新オフィス入居に向けた準備

内装工事・家具・設備選定

新オフィスでは、単に機能を満たすだけでなく、企業らしさや空間の印象まで含めた設計が求められます。デザイン性と実用性のバランスを取りながら、日々の働き方に自然とフィットする空間づくりを意識しましょう。

  • 来客対応や打ち合わせのシーンを想定した空間構成になっているか
  • 集中・交流など、シーンに応じた居場所が確保できているか動線はスムーズか
  • 日常業務を想定しながら設計することがポイントです。

ネットワーク・ITインフラ整備

内装計画と必ずセットで検討すべきなのがITインフラです。

  • インターネット回線
  • 電話・社内LAN
  • サーバーやネットワーク機器の設置場所
  • 複合機のネットワーク接続・設置環境


レイアウト設計と同時に複合機を含めたOA機器の接続・配線計画まで含めて検討することが重要です。

必要な各種届出・書類

法人登記をはじめとする各種届出や住所変更手続きが必要になります。
主に必要となる手続きは以下のとおりです。

  • 法人登記の住所変更(法務局)
  • 税務署・年金事務所・労働基準監督署への届出
  • 銀行口座・各種契約情報の住所変更
  • 取引先・顧客への周知
  • 名刺・Webサイトなどの情報更新


業種によっては、建設業許可や各種免許の住所変更が必要な場合もあります。
該当する場合は、事前に管轄の行政機関へ確認しておくと安心です。

オフィス移転にかかる主な費用

オフィス移転では、引越し費用だけでなく、契約・工事・設備など複数の費用が同時に発生します。
全体像を把握せずに進めると、「想定外の出費」が発生しやすいため注意が必要です。
ここでは、移転時に発生しやすい主な費用項目を整理します。

新オフィスの賃貸初期費用

まず大きな割合を占めるのが、新オフィス契約時の初期費用です。

  • 敷金・保証金
  • 礼金
  • 仲介手数料
  • 前家賃


物件によっては、賃料の6〜12か月分の保証金が必要になるケースもあり、
この段階でまとまった資金が必要になります。

内装工事費

オフィス移転費用の中で、金額差が最も出やすいのが内装工事費です。

  • 間仕切り工事
  • 床・壁・天井工事
  • 電気・照明工事
  • OAフロア工事


レイアウトや仕様によって、数十万円~数百万円になります。「最低限で済ませるのか」「働きやすさを重視するのか」方針を早めに決めておくことが、予算コントロールのポイントです。

OAフロア・家具・什器の導入費用

新オフィスでは、以下のような設備費用も発生します。

  • OAフロア(新設・増設)
  • デスク・チェア
  • 収納・書庫
  • 会議テーブル・応接家具


既存什器を流用するか、新調するかによって費用は大きく変わります。

引越し費用

引越し費用は、以下の条件によって変動します。

  • フィスの広さ・荷物量
  • 移転距離
  • 作業時間帯(平日・夜間・休日)


一般的な事務所移転では、数十万円〜かかります。

旧オフィスの原状回復工事費

見落としがちなのが、旧オフィスの原状回復工事費です。

  • 床・壁・天井の復旧
  • 間仕切り撤去
  • 設備撤去


契約内容によっては、「想定以上の工事費が発生する」ケースもあるため、早い段階で契約書を確認し、見積りを取ることが重要です。

補助金・助成金を活用できる場合も

自治体によっては、

  • 中小企業支援
  • 働き方改革
  • オフィス環境改善


を目的とした補助金・助成金制度が用意されている場合があります。
制度には申請条件や期限があるため、移転を検討し始めた段階で情報収集しておくと安心です。

オフィス移転を成功させるためのポイント

新オフィスを考える際は、新しい環境で従業員がどのように働くかを具体的にイメージしながら計画を進めることが重要です。

従業員の意見を取り入れたレイアウトづくり

移転のプロセスで社員のニーズを把握し、最終的なレイアウト案に反映させると、完成後の満足度やモチベーションにつながります。

ABWやフリーアドレスなど最新の働き方への対応

Activity Based Working(ABW)やフリーアドレスなど、席を固定せずに業務内容に適した場所で作業をするスタイルが注目を集めています。
これらを取り入れることでスペースの有効活用や部門間交流が進み、イノベーションが生まれやすい環境作りが期待できます。

まとめ

オフィス移転は、計画・準備・段取りが成果を左右するプロジェクトです。
スケジュールと費用を整理し、無理のない計画で進めることで、移転後の業務効率や働きやすさは大きく向上します。

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