オフィスづくりのお役立ち情報

オフィスパーテーションの種類と選び方|高さ・素材・用途別に比較

2026/08/17

オフィスに会議室を新設したい、執務スペースへの視線を遮りたい、集中できる席をつくりたい。そのようなときに役立つのが、空間を仕切るパーテーションです。

ただし、パーテーションは高さや素材、構造によって、遮音性・開放感・施工費・工期が大きく異なります。見た目だけで選ぶと、「会話が外に聞こえる」「空調が効きにくい」「消防設備の追加が必要になった」といった問題が起こることもあります。

この記事では、オフィス用パーテーションの種類と特徴を比較し、会議室・執務スペース・受付・バックヤードなど、用途に合った選び方をわかりやすく解説します。

オフィスに設置されたパーテーション

画像引用:小松ウオール工業株式会社

パーテーションとパーティションの違い

「パーテーション」と「パーティション」は、どちらも英語の「partition」に由来する言葉です。表記や呼び方が異なるだけで、オフィス内装では基本的に同じ間仕切りを指します。

メーカーや施工会社によって表記は異なりますが、製品を探す際は両方の言葉で検索すると、より幅広い情報を見つけやすくなります。本記事では、一般に広く使われている「パーテーション」に表記を統一します。

高さで分ける2種類|ハイ・ローパーテーション

オフィス用パーテーションは、高さによって大きくハイパーテーションローパーテーションに分けられます。まずは、両者の違いを押さえましょう。

比較項目 ハイパーテーション ローパーテーション
高さ・構造 床から天井付近まで仕切る 天井まで届かない自立式・連結式が中心
主な用途 会議室、役員室、応接室、個室 デスク間の仕切り、目隠し、簡易打ち合わせスペース
特徴 独立性や遮音性を確保しやすい レイアウト変更に対応しやすい
施工 現地調査と専門工事が必要 比較的短期間で設置しやすい
注意点 空調・照明・消防設備との調整が必要になる場合がある 完全な個室化や高い遮音性には向かない
ハイパーテーションの施工例 ローパーテーションの設置例

画像引用:コクヨ株式会社 ファニチャー事業本部

ハイパーテーションの種類と特徴

ハイパーテーションは、会議室や応接室など、ひとつの空間を明確に区切りたい場合に適しています。天井との納まり方によって、主に「欄間オープン」と「欄間クローズ」に分けられます。

欄間オープン

パーテーション上部と天井の間に開口を残すタイプです。空気や光が通りやすく、既存の空調・照明を活かしやすい点がメリットです。

一方、上部が開いているため、声や音も回り込みます。視線は遮れても、機密性の高い会議やWeb会議など、音漏れを抑えたい空間には十分でない場合があります。

欄間クローズ

床から天井までパネルで仕切るタイプです。欄間オープンよりも独立性が高く、会議室・役員室・応接室・機密情報を扱うスペースに向いています。

ただし、天井まで区切ることで空調や照明の効き方が変わり、感知器・スプリンクラーなどの消防設備にも影響する場合があります。設計段階で、ビル管理会社や施工会社と設備条件を確認することが重要です。

欄間オープン 欄間クローズ
欄間オープンのハイパーテーション 欄間クローズのハイパーテーション
空気や光が通りやすい。比較的導入しやすいが、音も伝わりやすい。 独立性を高めやすい。空調・照明・消防設備の確認が欠かせない。

画像引用:小松ウオール工業株式会社

遮音性は「天井まで塞げば十分」とは限りません。
パネルの構造、ガラスの厚さ、ドアの隙間、天井裏や床下からの音の回り込みなども影響します。重要な会議を行う部屋は、空間全体で遮音計画を立てましょう。

ローパーテーションの高さと用途

ローパーテーションは、執務スペースの視線調整や簡易的なゾーニングに向いています。高さによって圧迫感と目隠し効果が変わるため、「座っているとき」「立っているとき」の見え方を確認して選ぶことがポイントです。

高さの目安 見え方・特徴 向いている用途
約1,200mm 座ると視線がほどよく遮られ、顔を上げれば周囲を見渡しやすい デスク間の仕切り、集中席、個人スペースの確保
約1,600mm 着席時の視線をしっかり遮り、立つと周囲を確認できる 簡易ミーティングスペース、コピーコーナーの目隠し
約1,800mm 立った状態でも視線を遮りやすいが、圧迫感が出やすい 来客スペース、簡易個室、バックヤードの目隠し
高さ約1200mmのローパーテーション 高さ約1600mmのローパーテーション 高さ約1800mmのローパーテーション

画像引用:コクヨ株式会社 ファニチャー事業本部

なお、ローパーテーションは高さが増すほど転倒対策が重要になります。直線で長く並べる、単独で設置する、人がぶつかりやすい通路沿いに置くといった場合は、安定脚や連結方法を含めて専門業者に確認しましょう。

素材で分けるパーテーションの種類

パーテーションは、フレームやパネルの素材によっても、価格・デザイン・遮音性・メンテナンス性が異なります。

スチールパーテーション

スチール製の下地・パネルを用いるタイプで、フラットですっきりした外観が特徴です。製品仕様や内部の充填材によっては遮音性能を高めやすく、会議室や役員室などに採用されます。

重量があり、搬入や施工に手間がかかるため、アルミパーテーションと比べて費用や工期が増える傾向があります。求める性能と予算のバランスを見て選びましょう。

スチールパーテーションの施工例

画像引用:小松ウオール工業株式会社

アルミパーテーション

アルミフレームにパネルをはめ込むタイプです。軽量で施工しやすく、コストと工期を抑えやすいことから、倉庫・バックヤード・一般的な会議スペースなど幅広く使われています。

フレームが見える意匠が基本で、遮音性は製品や納まりによって差があります。低価格だけで判断せず、利用目的に必要な性能を確認することが大切です。

アルミパーテーションの施工例

画像引用:小松ウオール工業株式会社

ガラスパーテーション

ガラスを使ったパーテーションは、光を取り込みながら空間を分けられる点が魅力です。視線が抜けるため圧迫感が少なく、エントランス・会議室・役員室など、デザイン性を重視する空間に向いています。

透明ガラスだけでなく、すりガラス調のフィルムや部分的な目隠しを組み合わせれば、開放感とプライバシーを調整できます。ガラスの種類、厚さ、寸法、施工条件によって費用が変わるため、現地調査をもとに見積もるのが一般的です。

ガラスパーテーションを採用したオフィス

画像引用:コクヨ株式会社 ファニチャー事業本部

ローパーテーションの表面材

ローパーテーションは、クロス、木目調シート、ガラス・樹脂パネルなど、表面材の選択肢が豊富です。内装やコーポレートカラーに合わせやすく、空間の印象づくりにも活用できます。

表面材 特徴 おすすめの空間
クロス・布 色柄が豊富で、やわらかく落ち着いた印象をつくりやすい 執務スペース、集中席
木目調シート 温かみや上質感を演出しやすい 受付、応接スペース、ラウンジ
ガラス・樹脂パネル 光を通し、圧迫感を抑えやすい ミーティングスペース、通路沿い

ローパーテーションの表面材のバリエーション

画像引用:コクヨ株式会社 ファニチャー事業本部

マグネットが付くタイプ、ピンを刺せるタイプ、吸音性に配慮したタイプなど、機能を持たせた製品もあります。使い方を先に整理しておくと、必要な仕様を選びやすくなります。

パーテーションと造作壁の違い

オフィスを区切る方法には、パーテーションのほかに、下地材と石膏ボードなどで壁をつくる造作壁があります。どちらが適しているかは、必要な性能、デザイン、予算、工期、将来のレイアウト変更によって異なります。

比較項目 パーテーション 造作壁
施工方法 工場製作されたパネルやフレームを現場で組み立てる 現場で下地を組み、ボード・クロス・塗装などで仕上げる
工期 比較的短くしやすい 仕上げ工程を含むため長くなる場合がある
デザイン 製品仕様の範囲で選択する クロス・塗装・造作などの自由度が高い
移設・変更 製品や設置条件によっては移設・再利用しやすい 撤去後の再利用は難しい
向いているケース 短工期、将来の変更、オフィスらしいシステム性を重視 内装との一体感、細かな納まり、仕上げの自由度を重視

遮音性や費用は、「パーテーションだから低い」「造作壁だから高い」と一概にはいえません。内部構造、ドア、天井裏、床下、設備の納まりを含めた仕様で比較することが重要です。

遮音と吸音の違い|音対策は空間全体で考える

会議室やWeb会議スペースを計画するときは、遮音吸音の違いを理解しておきましょう。

項目 目的 対策例
遮音 音が隣の空間へ伝わるのを抑える 遮音性に配慮したパネル、気密性の高いドア、隙間や天井裏への対策
吸音 室内の音の反響を抑え、会話を聞き取りやすくする 吸音パネル、吸音材、カーペット、吸音性のある天井材

吸音材を設置しても、隣室への音漏れを完全に防げるわけではありません。また、遮音性の高いパネルを使っても、ドアの隙間や天井裏、床下から音が回り込む場合があります。重要な会議を行う部屋は、パーテーション単体ではなく、空間全体で音対策を検討しましょう。

用途別|オフィスパーテーションの選び方

集中しやすい執務スペースをつくりたい

デスク間の視線をほどよく遮るなら、高さ約1,200mmのローパーテーションが選択肢になります。周囲とのコミュニケーションを残しながら、個人の作業領域をつくりやすい高さです。

デスク周りをローパーテーションで仕切った例

コピー機や備品棚を目隠ししたい

来客動線から見えやすいコピーコーナーや収納は、高さ約1,600〜1,800mmのローパーテーションで隠す方法があります。完全に囲わず、出入りや作業に必要な通路幅を確保することが大切です。

ローパーテーションで収納を目隠しした例

セキュリティ性の高い部屋をつくりたい

個人情報や機密情報を扱う部屋には、欄間クローズのハイパーテーションと鍵付きドアを組み合わせる方法があります。必要に応じて、ICカードなどの入退室管理設備も検討します。

入退室管理設備を備えた個室

重要な会議を行う会議室をつくりたい

音漏れを抑えたい会議室では、欄間クローズのスチールパーテーションなど、遮音性に配慮した仕様が候補です。ただし、パネルだけでなくドア、天井裏、床下、設備貫通部を含めた対策が必要です。

遮音性に配慮した会議室

簡易的な打ち合わせスペースをつくりたい

短時間の打ち合わせや来客対応が中心なら、ローパーテーションで囲う方法が適しています。ガラスや明るい色のパネルを組み合わせると、圧迫感を抑えながら空間を区切れます。

ローパーテーションで区切った打ち合わせスペース

用途別画像引用:コクヨ株式会社 ファニチャー事業本部

パーテーション工事の費用と工期を左右するポイント

パーテーション工事の費用と工期は、単純な面積だけでは決まりません。主に次の条件によって変わります。

  • パーテーションの種類と高さ
  • パネルの枚数、長さ、設置形状
  • ドア、鍵、ガラス、吸音材などの追加仕様
  • 天井高や梁、段差など現場の条件
  • 空調・換気・照明・消防設備の移設や増設
  • 搬入経路、作業可能時間、養生の範囲
  • 既存間仕切りの撤去や廃材処分
種類 費用の傾向 工期の傾向
ローパーテーション 比較的抑えやすい 比較的短い
アルミパーテーション ハイパーテーションの中では抑えやすい傾向 比較的短い
スチールパーテーション 仕様によって高くなりやすい アルミより長くなる場合がある
ガラスパーテーション ガラスの種類や寸法によって高くなりやすい 採寸・製作期間を要する場合がある

正確な費用と工期を把握するには、現地調査が重要です。
設置予定場所の写真、概算寸法、希望する用途、希望時期を用意しておくと、相談や見積もりがスムーズになります。

パーテーション施工前に確認したい5つのポイント

パーテーション工事は、希望する位置に壁を立てるだけではありません。見積もりを依頼する前に、次の項目を整理しておくと計画がスムーズです。

  1. 目的と必要な性能
    目隠し、遮音、セキュリティ、意匠など、優先順位を明確にします。
  2. 設置位置と寸法
    天井高、梁、床や壁の状態、ドアの開閉、通路幅を確認します。
  3. 空調・換気・照明
    間仕切り後も室内環境を保てるか、設備の移設・増設が必要かを確認します。
  4. 消防設備と避難動線
    感知器やスプリンクラー、誘導灯、排煙、避難経路などへの影響を確認します。
  5. ビルの工事区分と管理規定
    指定業者の有無、工事可能時間、搬入経路、申請期限、原状回復条件を確認します。賃貸オフィスでは、床・壁・天井への固定可否や退去時の撤去範囲も確認しておきましょう。

消防・建築・ビル管理上の条件は、建物や工事内容によって異なります。
とくに天井まで仕切る場合は、計画初期の段階でビル管理会社と施工会社へ相談し、必要に応じて所轄の関係機関へ確認しましょう。

オフィスパーテーション工事のよくある質問

パーテーション工事には何日かかりますか?

施工範囲や製品、現場条件によって異なります。ローパーテーションの設置は比較的短期間で行いやすい一方、ハイパーテーションやガラスパーテーションは、現地調査・製品手配・設備工事を含めた工程が必要です。希望時期が決まっている場合は、早めに相談しましょう。

業務を続けながら施工できますか?

工事範囲を分ける、休日や業務時間外に作業するなど、条件によっては対応できる場合があります。ただし、騒音・振動・粉じん・搬入動線への配慮が必要です。ビルの作業可能時間も含めて施工会社に確認してください。

賃貸オフィスにも設置できますか?

設置できるケースは多くありますが、オーナーやビル管理会社の承認が必要です。固定方法、指定工事業者、工事申請、原状回復の条件を事前に確認しましょう。

パーテーションだけで防音できますか?

パーテーションだけで完全な防音を実現するのは難しい場合があります。音はドアの隙間、天井裏、床下、設備貫通部などからも伝わるため、求める音環境に応じて空間全体の対策が必要です。

既存のパーテーションは移設・再利用できますか?

製品の種類、部材の状態、移設先の天井高や寸法によっては可能です。ただし、不足部材の追加や加工が必要になる場合もあります。メーカーや品番がわかる資料、現状写真があると確認しやすくなります。

消防署への届出や設備の追加は必要ですか?

建物の用途、間仕切り方、天井との納まり、既存の消防設備によって異なります。とくに欄間クローズで個室を新設する場合は、感知器やスプリンクラーなどへの影響を確認し、ビル管理会社や施工会社を通じて必要な対応を確認してください。

まとめ|目的と必要な性能から最適な種類を選ぼう

オフィス用パーテーションは、主に高さで「ハイパーテーション」と「ローパーテーション」に分かれ、さらに欄間の納まりや素材によって特徴が変わります。

  • 会議室や役員室など独立した部屋をつくるなら、ハイパーテーション
  • 視線調整や簡易的なゾーニングなら、ローパーテーション
  • 遮音性を重視するなら、パネルだけでなくドア・天井裏・床下も含めて検討
  • 開放感やデザイン性を重視するなら、ガラスパーテーション
  • 施工前に、空調・照明・消防設備・ビル規定を確認

最適な仕様は、設置場所や利用人数、求める遮音性、予算、工期によって異なります。現地調査を行い、レイアウトと設備条件を確認したうえで比較検討することが、使いやすいオフィスづくりへの近道です。

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