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テレワーク(在宅勤務)のために整備すべき「通信ツール」5種
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2020/03/25
近年話題を集めているテレワーク。
「Tele=離れたところ」と「Work=働く」を組み合わせた造語で、インターネットやモバイルデバイスを活用した時間や場所にとらわれない働き方を意味します。本来勤務する場所から離れて自宅などで仕事をすることは、「従業員の育児や介護による離職を防ぐことができる」「遠隔地の優秀な人材を雇用することができる」「災害時・非常時に事業が継続できる」など、メリットがたくさん。
そこで今回は、テレワークを始めるために整備すべき通信環境と通信システム・ツールについてまとめてみました。
目次
はじめに テレワークの3つの形態
テレワークは、大きく3つの働き方に分類されます。
「在宅勤務」「モバイルワーク」「サテライトオフィス勤務」です。それぞれの特徴は以下の通り。いずれの場合も、所属するオフィスから離れて仕事を行います。
テレワーク形態 概要 在宅勤務 自宅を就業場所とする勤務形態。オフィスに出勤したり、顧客訪問や会議参加などによって外出したりすることがなく、1日の業務をすべて自宅の執務環境の中で行う。通勤負担が軽減され、時間を有効に活用することが可能。 モバイルワーク 移動中(交通機関の車内など)や顧客先、カフェなどを就業場所とする働き方。わざわざオフィスに戻って仕事をする必要がなくなるので、無駄な移動を削減することができる。 サテライトオフィス勤務 郊外や地方などに設置された小規模なオフィスで働く方法。職住近接の環境を確保することができ、通勤時間も削減可能。自社専用のスペースとして整備する「専用型サテライトオフィス」と、複数の企業がシェアして利用する「共用型サテライトオフィス(シェアオフィスやコワーキングスペースと呼ばれます)」とに分類される。 総務省が平成27年度に実施した調査によると、最もよく検討されているテレワーク形態は「在宅勤務」だそうです。そこで本記事では、在宅勤務のニーズを中心とした情報をお届けしていきたいと思います。
【実録】従業員数37名の中小企業がテレワーク(サテライトオフィス勤務)やってみた
2020年5月。新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークをはじめることになりました。弊社が実際に試用・採用したテレワーク用の通信システムや端末、コミュニケーションツールなどをご紹介します。
2020/7/6
テレワーク(在宅勤務)導入のための通信環境整備
テレワーク(在宅勤務)を実施するためには、どのような通信環境が必要なのでしょうか。
皆さんは、テレワークの導入にあたり、こんな不安や疑問を抱いてはいませんか?情報漏えいのリスクが心配だなあ。サボらずに社外でちゃんと仕事できるの?通常勤務者とテレワーク実施者の業務連携はどうやるの?まさにこれらのお悩みを解決するのが、テレワークの環境に必要な通信システム・ツールです。
情報漏えいのリスクが心配だから
一定のセキュリティレベルが確保された①通信システム と②端末を導入し、③セキュリティ対策 を強化社外でもサボらず仕事ができるように
テレワーク実施者の勤怠状況や在席状況を可視化する④労務管理ツールを導入通常勤務者とテレワーク実施者の業務連携を円滑に行うために
通常勤務者とテレワーク実施者とがメッセージのやりとりや打ち合わせを行う⑤コミュニケーションツールを導入自社の働き方や既存の通信環境を考慮しながら、これら5つの設備を整えていきましょう。
①テレワーク(在宅勤務)に適した通信システム
まず検討するのは、①通信システムです。
テレワーク(在宅勤務)にオススメなのが、リモートデスクトップ方式の通信システムです。「セキュリティとコストのバランスに優れている」「数名による週1・2回程度のテレワーク利用に最適」「導入の難易度もそれほど高くない」などの理由から、中小~中堅企業での採用例が目立ちます。
リモートデスクトップ方式
概要 PCの遠隔操作システム。自宅にある社外PCのディスプレイ上に、社内PCのデスクトップ画面が表示される。閲覧だけでなく操作も可能。オフィスで行っていた仕事を自宅でも行うことができる。 イメージ 安全性 ◎ 社内環境と同じセキュリティレベルになる。
◎ ファイルの保存先も社内PC上なので、情報漏えいが起こりにくい。
◎ 社外PCにはログやキャッシュなどデータが残らず安心。
◎ 一般的には、社外PCがウイルス感染しても社内PCには伝染しない。
△ 社外PCのセキュリティ対策が不充分であれば、第三者が社内環境に不正侵入してしまう恐れがある。利便性 ◎ ソフトウェアのライセンス買い足しやアプリの再インストールは不要。
◎ 自宅のPCでも利用可。
△ 若干のタイムラグが発生するので、操作性に劣る。
△ 画面転送後は画面が圧縮されて解像度が下がるので、細かい作業には不向き。
△ 基本的には社内PCに接続されたプリンターからの印刷しかできない。省コスト性 ◎ USB型認証キーの購入などで対応できるので、比較的安価に導入可能。
△ オフィスにある社内PCは常時電源をオンにしておく必要があるので、電気代がかかりハードディスクの寿命も短くなる。製品例 「MagicConnect」、「Splashtop」、「Remote View」、「DoMobile」、「ISL Online」、「Remote Works」 一方、大人数(100名以上)による日常的なテレワークの実施を想定するなら、よりセキュリティレベルが高い仮想デスクトップ方式の通信システムを導入すべきです。自宅にある社外PCから、オフィス内のサーバー上に設けられた「仮想デスクトップ」に遠隔ログインして操作することができます。
リモートデスクトップ方式との違いは、仮想デスクトップを構築する「VDIサーバー」を経由して通信を行う点。これにより、高いセキュリティレベルが保持されます。
難点は高額な初期コストがかること。VDIサーバーの構築に加え、VPN装置(共有ネットワーク上にプライベートネットワークを構築する装置)の設置が必要となります。
予算やテレワークを行う頻度、実施者数などを考慮して、自社に適した通信システムをお選びください。
②テレワーク(在宅勤務)に適した端末(PC)
続いては、②端末です。
テレワーク(在宅勤務)を行うには、インターネットに繋がったPCが必要です。以下いずれかの種類のPCを利用してください。PCの種類 特徴 リッチクライアント型PC 内蔵しているハードディスク内に情報を保存できる端末。書類作成などの操作も端末単体で行うことができる。オフィスで使われているデスクトップPCの多くはこのリッチクライアント型。「Rich=裕福な、豊かな」が語源。 シンクライアント型PC ほとんどの機能がサーバーで処理されるPC。端末単体で行えるのは出入力程度。書類作成や保存はサーバー上で処理されるため、データが端末内に保持されず、データ漏洩が発生しにくい。「Thin=薄い、少ない」が語源。 リッチクライアント型PCはファイルの作成から保存までを一台でこなす便利な端末です。
しかしその一方で、紛失や盗難被害に遭えば端末内のデータが丸ごと流出してしまうというデメリットもあります。テレワークのために社外に持ち出す際には、厳重なセキュリティ対策が必要です。
一方、シンクライアント型PCは情報漏えい対策に有効な端末として知られています。
大容量の記憶媒体が内蔵されていないので、本体にデータを保存することができません。そもそも端末内にデータが存在しないので、紛失・盗難被害に遭っても情報漏えいは起きないというわけです。
仮想デスクトップ方式による通信を採用する場合には、こちらのシンクライアント型PCが用いられます。
③テレワーク(在宅勤務)に適したセキュリティ対策
社外にPCを持ち出すことで生じるリスクに備え、③セキュリティ対策を講じましょう。
以下のようなツールの導入をご検討ください。テレワーク(在宅勤務)に有効なセキュリティ対策ツール
ツール 概要 生体認証ツール PCの起動やスリープ解除を指紋認証で行うことができる。家族による使用防止の対策に有効。指紋を印刷した濡紙や偽指による解除が可能だという意見もあり、全面的に信頼することはできない。
製品例:「Lenovo」、「富士通」、「東芝」、「HP」などから発売されている指紋センサー付きPCHDD暗号化ツール リッチクライアント型PCの紛失・盗難対策にはHDDやSSDの暗号化が有効。暗号化していない場合は、PCの起動パスワードをかけていても容易にデータを読みだされてしまうので要注意。
製品例:「NEC」、「Lenovo」、「富士通」、「東芝」、「DELL」、「HP」などから発売されているセキュリティチップ内蔵PCウイルス対策ソフト Windows PCの場合、全てのマシンにウイルス対策ソフトのインストールが必要。ウイルスの種類は少ないが、Macの場合にも使用することが望ましい。
製品例:「ウイルスバスター」、「マカフィー」、「ノートンインターネットセキュリティ」、「ESET」など④テレワーク(在宅勤務)に適した労務管理ツール
続いて、④労務管理ツールを検討します。
テレワーク(在宅勤務)で重要となる労務は大きく分けて2つ。
労働時間を管理する勤怠管理と、在席・離席状態を管理するプレゼンス管理です。
これらを可視化するためには、以下のようなシステム・ツールの利用が有効とされています。勤怠管理(労働時間の管理)サポートシステム・ツール
システム・ツール 概要 Eメール テレワーク実施企業で最も多く利用されているツール。使い慣れている・業務の報告を同時に行いやすい・複数人に一括で記録を共有できる(自部門の上長と労務の担当者に一斉送信)などのメリットがある。 電話 Eメールに次いでよく利用されているツール。使い慣れている・時間がかからない・報告のついでにコミュニケーションが取れるなどのメリットがある。 勤怠管理システム 大企業での導入例が多い。大人数の管理・記録の共有などに適している。
製品例:「cyzen」、「MITERAS」、「F-Chair+」、「CYBER XEED就業」や 「キングオブタイム」などの勤怠管理ソフト対象が大人数でない限り、メールや電話による「始業・終業報告」でも十分管理できます。
労働時間をソフトやクラウド上で管理する「勤怠管理システム」は、必要性を感じたタイミングで検討するといいでしょう。プレゼンス管理(在席管理)サポートシステム・ツール
プレゼンス管理ツールの用途は「サボっていないかを監視する」だけではありません。
例えば、育児・介護を行っているテレワーク実施者は、やむを得ない事情によって業務がストップしてしまう可能性がありますよね。在宅勤務中の仕事の中断を認める企業では「離席の記録をつける」「連絡が取れる状態かをリアルタイムで確認する」というような目的でも活用されているようです。
プレゼンス管理についても、はじめのうちは電話やメールを使った運用で十分かと思います。
必要に応じて、以下のようなシステム、ソフトウェアの利用を検討してみてください。製品例:「Sococo Virtual Office」、「Remotty」、「Microsoft Teams」、「サイボウズ Office」などのソフトウェア ⑤テレワーク(在宅勤務)に適したコミュニケーションツール
最後にご紹介するのは、遠隔で働くからこそ重要な⑤コミュニケーションツールです。
電話やメールなどの使い慣れたツールを活用し、積極的に業務連携を図りましょう。テレワークに慣れてきたら、会議システムを導入してみてもいいかもしれません。
本格的な「テレビ会議システム」は高額ですが、PCとWEBカメラを使う「WEB会議システム」なら、比較的低コストではじめることができます。オススメのWEB会議システムは以下の通り。全ての製品で無料試用期間が設けられているので、実際の使用人数・環境で画質や音質をテストして検討することができます。
WEB会議システム・ツール
製品例:「V-CUBEミーティング」、「Webx Meetings」、「Meeting Plaza」、「LiveOn」、「Google ハングアウト Meet」、「Microsoft Teams」 まとめ
いかがでしたでしょうか。
一度にすべてを整備するのは大変ですから、自社にとって重要度の高いものから段階的に検討を進めるのがいいでしょう。少人数でトライアルを行い、向き・不向きを検証するのもオススメです。
また、テレワークを導入するための検討事項は通信環境の他にもたくさんあります。
「誰が・どんな業務を・どれだけの頻度で行うのか?」「テレワーク業務の人事評価はどうなるのか?」「通信費・光熱費の負担はどうするのか?」といったルールづくりも重要なポイントです。テレワークの導入方法についてもっと詳しく知りたいという方は、テレワークではじめる働き方改革 ~テレワークの運用・導入ガイドブック~(厚生労働省) をご覧ください。
カテゴリー:LAN・ネットワーク・ビジネス機器
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