2025/08/12
オフィスの配線整理や作業効率を向上させる「OAフロア」。
床下に配線スペースを確保できるこの床構造は、多くのオフィスや公共施設で採用されています。
この記事では、OAフロアの種類と選び方、価格相場、人気メーカーの特徴、導入前の判断材料について解説します。
タイプ別|OAフロアの価格相場と特徴【2025年版】
OAフロアの代表的な2タイプの目安単価をご紹介します。
価格は床材の種類・施工方法・オプション有無などにより変動します。
【置敷式簡易OAフロア】

- 短納期・低コストでのオフィスリニューアルに最適な軽量タイプ。
- 建物への負担が少なく、施工もスピーディ。レイアウト変更が多い現場に柔軟対応。
▶ PRICE: 約2,000円/㎡~
- 20坪(約66㎡)で導入する場合、総額約30万円程度
- ※高さ30cm・3000N・アンダーシート・搬入費・諸経費込(処分別途)
- ※価格は目安で、現場状況や仕様によって変動します
【床高調整式OAフロア】

- 床高調整式OAフロアは、床面の高さを自在に調整できる支柱式タイプです。
- 床の凹凸も、レベル調整(支柱・脚の高さ調整)のできるOAフロアであれば対応することが可能です。
- 床下に大量の配線・空調設備・電源コンセントを収納でき、置敷式に比べてコストは高め・施工には時間がかかります。
▶ このようなニーズにフィット
- 配線や設備が多く、床下スペースをしっかり確保したい方に
- 将来のレイアウト変更や用途変更にも対応したい方に
OAフロアに追加できるオプションと用途
OAフロアは基本構造だけでも利用可能ですが、使い勝手・安全性・美観を高めるためにオプション部材を追加することが一般的です。
オプション名 |
用途・使用場所 |
床用コンセント
|
壁から離れた場所でも電源やLAN、電話回線を設置でき、未使用時は床面に収納してスッキリ。
使用場所:会議室中央、島型デスク周辺、受付カウンターまわり
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段差解消スロープ
|
既存床との段差をなだらかにし、つまずきや台車の引っかかりを防ぐ。
使用場所:デスク周り、会議スペース
|
人気OAフロアメーカー
4社ともOAフロアの主要な認証制度を取得しており、安心して導入いただける品質を備えています。
用途や予算、環境配慮や耐久性のニーズに合わせて、最適なメーカーを選びましょう。
キタイコーポレーション
【対応タイプ】
置敷式簡易OAフロア・床高調整式OAフロアに対応。
【扱っている素材】
鋼製パネルやアルミ材を使用。
リサイクル素材を取り入れた製品もあり環境配慮も進めています。
【価格帯】
★☆☆(低価格~中価格帯)
コストパフォーマンスに優れ、小規模から大規模オフィスまで幅広く対応可能です。
【認証制度】
JAFA性能評価認証制度 取得済み
建築材料・設備機材等品質性能評価(公共建築協会) 取得済み
フクビ化学工業株式会社
【対応タイプ】
主に置敷式簡易OAフロアに対応。
【扱っている素材】
樹脂パネルを中心に展開。
【価格帯】
★★☆(中価格帯)
認証取得・施工性・安定供給面を含めた総合バランスに優れた製品です。
【認証制度】
JAFA性能評価認証制度 取得済み
共同カイテック株式会社
【対応タイプ】
主に床高調整式OAフロアに強み。大規模オフィス向け。
【扱っている素材】
高強度スチールパネルや鋼製支柱を採用。耐荷重や耐久性を重視した特殊素材を使用しています。
【価格帯】
★★☆(中価格~高価格帯)
高品質かつ耐久性が必要な現場に適した製品ラインナップです。
【認証制度】
JAFA性能評価認証制度 取得済み
建築材料・設備機材等品質性能評価(公共建築協会)取得済み
センクシア株式会社
【対応タイプ】
置敷式簡易OAフロア・床高調整式OAフロアともに対応可能。
特に床高調整式は、高さ調整が自在で、床高100mm以上の高床空間にも対応。
【扱っている素材】
環境配慮型リサイクル素材や防音機能を持つパネルを採用。
さらに、鋼製支柱と高剛性パネルの組み合わせにより、高い安定性・耐久性を実現。
耐荷重性や長期耐久性が求められるオフィスやデータセンターに最適。
【価格帯】
★★★(中価格~高価格帯)
高機能かつ環境配慮型製品であること、また高耐久・高荷重対応製品のため、価格は高め。
【認証制度】
JAFA性能評価認証制度 取得済み
建築材料・設備機材等品質性能評価(公共建築協会)取得済み
導入前に整理しておきたい判断材料
導入を検討する際は、以下のポイントを事前に明確にしておくとスムーズです。
- ●設置スペースの床高制限
- ●配線量やレイアウト変更頻度
- ●重量物の設置予定
- ●設置面積
- ●将来的な用途変更や移転の可能性
条件により、最適なフロアのタイプ・素材・構成が変わります。
OAフロアの仕上げ材と特徴
OAフロアの上には「仕上げ材」を敷くことで、快適性やデザイン性を高めます。用途に合わせて選びましょう。
仕上げ材 |
特徴 |
適した場所 |
タイルカーペット |
防音・断熱性、部分張替えが可能 |
会議室・執務室 |
塩ビタイル(厚み5mm以上) |
掃除がしやすく、コスト◎ |
エントランス・倉庫・通路 |
※長尺シートやフローリング材の場合は、OAフロアの継ぎ目や段差を解消し、仕上げ材の安定性を確保するために下地処理(ベニヤ板など)が必要になります。
また、帯電防止ビニル床タイルなど、OAフロア用に厚みのある床材もあります。
まとめ
OAフロアは、配線整理や快適なオフィスづくりに欠かせない設備です。施工条件や配線量に応じて適切なタイプを選び、信頼できるメーカー製品を導入することで、長く安心して使える空間を実現できます。
